2005年05月17日

採用の超プロが教える できる人できない人(事情によりボツ原稿)

採用の超プロが教える できる人できない人
安田佳生/サンマーク出版

 「超プロ」という浮わついた言葉をタイトルに持ってくるあたりから、怪しげな気配は濃厚だが、内容も期待通りの薄さである。
 さすがに17万部も超える本だけあって、つかみはお上手。人件費削減ムードが支配的なご時世に、優秀な新人を採用するなら「200万円くらいお安いものだ」とか、素材の悪い「カツノリ」は優秀な「古田」にはなれないとか、転職市場に流れる人材の大半は「ピラミッドでいえば、底辺に近いところにいる」とか、一見、きれいごと抜きのホンネ本を予感させ、読者の購入意欲を煽る仕掛けになっている。だが、要するに言いたいことは、「お金をかけて新卒を採用しましょう」ということで、これは「ウチに頼めば、いい新人採れますよ」という著者が社長を勤める採用コンサル会社のパブリシティと表裏一体となっていることを見逃してはならない。だからこそ言葉に力も入るというもの。
 しかし、目を引くのもそこまで。第2章以降では、人材論や新卒採用の方法論を開陳してはいるものの、書いてあることといえば、「人材には育つ人材と育たない人材がある」、「はみだし者がいないと、会社は活性化されない」といった当たり障りのない精神主義的コラムのオンパレード。しかも、採用する側と採用される側両者に目配せしているため、どの客層にとってもメッセージは中途半端。「超プロ」なのに、データの裏づけも体系性もない。いかに本書を熟読しようとも「できる人はできる」「いい人材のいる会社はいい会社」という同語反復以上の内容は読み取れない。
posted by saitoshokai at 03:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事で書いたブックレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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