2006年05月03日

『貧困の終焉―2025年までに世界を変える』

貧困の終焉―2025年までに世界を変える
ジェフリー サックス著/鈴木主税、野中邦子訳/早川書房

不勉強にもこの著者のことは知らなかった。
著者紹介には、次のようにある。

経済学者で国際開発の第一人者。1980年ハーバード大学博士号取得後、同大学経済学部助教授となり、1984年には29歳の若さで教授となる。20年間ハーバードに所属し、同大学国際開発センター所長を務めた。現在は、コロンビア大学地球研究所所長。また途上国政府や世界銀行ほか各国際機関のアドバイザーを務めており、開発途上国を支援するために発足した国連ミレニアム・プロジェクトにおいては、同教授がコフィ・アナン事務総長の依頼を受け、プロジェクトの長を務めた。

もともと国際金融を専攻していた著者は、自分の教え子だったボリビア人学生から手紙をもらったことがきっかけとなって、ボリビアの経済顧問に携わることになった。ここから著者の「臨床経済学者」としてのキャリアがスタートする。

貧困国の経済的現実との格闘を記述したくだりも迫力十分だが、本書はまず「貧困」に対する誤解をただすためにこそ読まれたい(特に反グローバニズムとか騒いでる方々)。

以下、引用。

「まず最初に、これだけははっきりさせておきたい。金持ちが富を蓄積するには、貧乏人がますます貧乏にならなければいけないと考える人は多い。(中略)このような説明は世界総生産がつねに一定であれば理にかなっていて、豊かな地域の増加分と貧しい地域の減少分がほぼ同じになるだろう。ところが現実は大違い。(中略)近代経済で肝心なのは、ある地域から別の地域への富の移行――力によるにしろ、別の方法によるにしろ――ではなく、むしろ世界総所得の全体的な増加である」

「反グローバル化運動がめざすべきは、熱心なとりくみと道義心のすべてをグローバル化推進運動に注ぎこむことではないだろうか。ただし、それは貧困層への援助、地球の環境問題、民主主義の普及を目的としたグローバル化でなければならない。それは啓蒙思想が支持したグローバル化――民主主義、多国間協調主義、科学とテクノロジー、人間の欲求を満たす経済システム――である。いわば「啓発されたグローバリゼーション」といってもいい。


posted by saitoshokai at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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