2006年02月03日

「みんなの意見」は案外正しい

という本を読み始めているんだけど、これがすこぶる面白い。

著者も書いているように、人間って個人では理性的な判断ができるのに、集団になると、トンデモな方向に走り出す、というのはよく言われることだ。まあそうだよなと僕なんぞも思っていた。

ところがどっこい、本書は「そんなに集団の知恵をバカにするもんじゃありませんよ」と、僕らの先入観に真っ向から異を唱える。ある認知実験によれば、参加者の平均値が最も正解値に近いという結果が出ているし、グーグルの検索も集団の知恵を信頼して出来上がっているシステムだ。こんな例を織り込みながら、著者は通説に反し、"The Wisdom of Crowds"を擁護するわけだ。

ここまでなら、「そういう考え方もあるよね」なのだけど、著者もクレージーな集団性というものがあることは認めている。そこでどうやら話は、「では集団の知恵がうまく働くにはどうしたらよいの?」という方向に進んでいく気配(まだ全部読んでないので)。

邦訳にも感心した。この「案外」というのがすごくよく効いていて、原題よりも本書の主張を上手に伝えている。

「俗論を斬る」みたいな本は、たしかに面白いし、僕も好きだ。でも、それがゆきすぎると、何事においても疑心暗鬼になったり、裏の裏ばかり読むようになったりで、それはそれで不健康だ。ぼちぼち、「その先」を考えなきゃいけない。「俗論はくだらん」という俗論を斬る本書にそのヒントがあるように感じた次第。

「みんなの意見」は案外正しい
ジェームズ・スロウィッキー著/ 小高尚子訳/角川書店

posted by saitoshokai at 20:55| Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

「みんなの意見」は案外正しい
Excerpt: ジェームズ・スロウィッキー/「みんなの意見」は案外正しいというタイトルに引かれる。通渋滞の解消やテレビのクイズ番組、株式市場、選挙予測からグーグルに至るまで、幅広く興味深い逸話とケーススタディを引きな..
Weblog: システムエンジニアの晴耕雨読
Tracked: 2006-03-04 17:43